ウッドショックと35GROUPの対応について
リヴスタイルからお知らせ | 未分類 | 2021.09.06
平素は格別なご高配を賜り、誠にありがとうございます。
さて、ご高承の通りコロナ禍で世界情勢は刻々と変化しております。今回はウッドショックによる影響と35GROUPの対応、日本の林業と山の役割、私たちの想いについて発信いたします。
▼ウッドショックの影響 と35GROUPの対応
海外の木材輸入量の減少と価格高騰のため、日本国内木材も価格の上昇や品薄の状態が起きております。
35GROUPは、仕入れ先企業と付き合いが長く、信頼関係が構築されており、木材の仕入れについてとても強いと自負しております。ウッドショックの初期段階から先手で動き、材料の確保と交渉を行ってまいりましたが、ついに企業努力で賄えない程の上昇金額になってきました。
そのため、木材価格を2021年9月15日(水)以降ご契約のお客様を対象に以下の対応を行います。
・注文住宅は、工事請負契約時と注文時で木材価格の差額が発生する場合は差額分をご負担いただきます。
・規格住宅は、標準価格設定時(2021年7月)と注文時の木材価格の差額をご負担いただきます。
・木材価格の差額に関しましてはお客様の追加金額を最小限にするため、木材の仕入れ原価のみを請求いたします。
詳細につきましては、PLANページ各種建築プランをご覧ください。
▼ウッドショックの原因と日本国内への影響
新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、アメリカや中国の都心で暮らしていた方が、郊外へ移住するニーズが高まりました。木造戸建て住宅の建築が急速に行われた結果、木材の需要が急増し、需要量に対して供給量が足りず北米を中心に価格が高騰しました。
北米の企業は、木材価格の上昇している自国や中国への輸出を優先したため、現在日本国内で輸入量の減少とそれに伴う価格高騰が起きています。現在も外国産木材の価格は上昇し続けており、木材が手に入らないという企業も多く存在します。
▼国産木材と外国産木材のコストと使用率
日本は森の国と言われており、国土の67%が森林です。多くの森林があるなか、なぜ日本は木材を自給できないのでしょうか。多くの企業が国産木材より外国産木材を使用している理由は、シンプルに価格です。海外の林業は高性能の林業機械や、路網整備、人材の確保等の仕組みが整い発展しているため、輸送コストを入れても国産木材より安価に仕入れる事ができます。
但しそのコストは経済合理性だけを考えたお金だけでの事です。長距離輸送の環境負荷を考えると地球には優しくありません。国産材で建築すれば環境負荷が5倍以上も小さく、地域材(地産地消)住宅では約14倍も小さくなります。
北海道の木造建築における、北海道産木材と外国産木材の比率は約2:8です。また、全国の国産木材の使用率は、2002年の18.8%から回復傾向にはありますが、2019年時点で約38%です。ウッドショックで木材が不足し、たくさんの企業が外国産木材から国産材に切り替えようとしても、自給率が4割弱の供給となっている国内生産の力ではまかなえないのが現状です。
▼日本の林業の歴史と森の役割
国内林業は、統計を始めた1955年には自給率94.5%(戦後の復興で需要増)でしたが、1964年の木材輸入の全面自由化を皮切りに国内自給率は低下を続けました。その後、国産の丸太価格の下落により、林業農家の廃業や就労人口の減少が起き、ますます外国産木材への依存が高まりました。林家戸数は現在も減少を続けています。この30年で見ても10万人いた林業従事者が4.5万人に減少しています。林業従事者は高齢化が進み、後継者の問題を抱えており、林業の担い手が求められています。
また、林業は、収益化するのが難しいといわれている分野の1つです。
長い時間をかけて育てた木々の価値を伝え、求めやすい流通経路を構築するといった経営的視点をもった方が少なかったことも大きな要因だと私は考えます。
森の維持はインフラと同じ要素があると考えています。日本の森林の4割は植林された人工林です。人工林は下刈りや間伐を始めとする充分な整備がなされないと、痩せた木ばかりになり、自然災害の危険性が増えるだけはなく、ろ過装置しての機能も低下し、綺麗な川や海が維持できなくなります。森林は大気が循環する中で二酸化炭素の吸収源として大きな役割も果たしています。1世帯が年間に排出するCO₂を固定するには森林が約6.5ヘクタール必要だといわれています。高度経済成長と共に、日本の第一次産業である林業が衰退してしまった事実を受け止め、私たちが次の世代のためにできることを考えなくてはなりません。
▼山の循環
木材は毎年伐採できるわけではありません。伐採できるようになるまでに30年から40年の歳月が必要となります。時間軸が他の産業に比べて圧倒的に長いのです。先人たちが植えて育てた森林を伐採し、その収益を用いて次の木を植えて育てます。さらに次の世代が伐採し利用するという世代を跨った「植える→育てる→使う→植える」というサイクルが必要となります。
▼35GROUPの想い
1.地産地消
北海道の森で育った木が同じ土地に残り、住宅として永く生き続けてくれること。住む場所と同じ気候で育った木を使用することが最適だと考えています。地元の素材を使うことで産業を守り、森林サイクルを保ち、次の世代へ豊かな自然を繋げていきたいと考えています。
2.環境負荷低減への取り組み
私たちが地域材を選択することで、輸送過程における二酸化炭素排出量を抑え、環境負荷に配慮することができます。地域材で建築された住宅は、欧州材で建築された住宅と比べると、木材輸送時のCo₂排出量は1/20となります。
3.地元の素材の魅力をたくさんの方に届けたい
北海道の森林にはカラマツ、トドマツ、道南杉、ミズナラ、ヤチダモ、カバなど気候に合った様々な樹種があります。建築材や工芸品、割り箸、爪楊枝など多彩な用途で使われています。
それぞれの特性を活かした木々の魅力を発信し、木と共に暮らす楽しさ・喜びをたくさんの方へ伝えるため、講演活動やホームページ、SNS等で道産木材の魅力の発信を行っています。そして北海道だけでなく、日本や世界での道産木材の価値を高めたいと考えています。
是非この機会に、皆さまに今起きている事実を知っていただき
地元の木材に興味を持つきっかけになると幸甚です。
2021年9月8日
35GROUP 代表取締役
田中 裕基
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